病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
医療の質指標
- リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
- 血液培養2セット実施率
- 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
- 転倒・転落発生率
- 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
- 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
- d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
- 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
- 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | - | - | - | 15人 | 22人 | 70人 | 86人 | 254人 | 329人 | 117人 |
地域の高齢化の影響もあり、60歳以上の患者さんの割合が8割以上を占めています。症状が重症になりやすい高齢者の入院が多くなる傾向があります。若年層は、骨折など整形外科的な手術が必要となる患者さんが多くなっています。なお、患者数が10人未満の症例は患者さんが特定され得る可能性があるため、情報は記載致しません。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx02xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 | 27人 | 58.96日 | 25.29日 | 11.11% | 82.59歳 | |
070341xx99x00x | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。)頸部 | 26人 | 20.27日 | 11.99日 | 7.69% | 76.69歳 | |
160690xx99xxxx | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) | 19人 | 58.84日 | 19.16日 | 5.26% | 84.42歳 | |
070343xx99x0xx | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 | 13人 | 15.69日 | 13.32日 | 0.00% | 81.54歳 | |
160760xx01xxxx | 前腕の骨折 骨折観血的手術 | 11人 | 11.55日 | 5.95日 | 18.18% | 67.45歳 |
整形外科では、高齢者の外傷や変性疾患が中心となっており、大腿骨の骨折や首下がり症候群の治療の患者さんが多くなっています。地域の医療機関や施設からの紹介患者さんも多く受け入れています。高齢者が転倒などで大腿骨を骨折し手術をされた場合、在院日数が比較的長くなることが多いです。また、当院での治療後転院して継続治療やリハビリをされている方もいます。一方、若年層の患者さまがスポーツや事故などで骨折された場合は、手術を行い比較的短期間の入院で自宅に帰られる傾向がみられます。急性期治療の終了後は回復期リハビリテーション病棟に移り、家庭・社会復帰に向けてリハビリを行い、自宅もしくは施設に帰られるか、継続リハビリのために他の医療機関に転院されています。そのため、全国の平均在院日数より入院期間が長くなっています。
脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010010xx9906xx | 脳腫瘍 ガンマナイフによる定位放射線治療 | 52人 | 5.69日 | 4.02日 | 17.31% | 68.04歳 | |
010060xx99x40x | 脳梗塞 エダラボン | 25人 | 34.92日 | 16.89日 | 12.00% | 78.00歳 | |
010060xx99x20x | 脳梗塞 脳血管疾患等リハビリテーション料 | 18人 | 40.00日 | 16.94日 | 5.56% | 75.44歳 | |
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 | 17人 | 18.00日 | 7.99日 | 11.76% | 72.12歳 | |
010070xx9910xx | 脳血管障害 | 15人 | 2.20日 | 3.23日 | 0.00% | 74.47歳 |
最も多い症例は、転移性脳腫瘍などに対するガンマナイフ治療です。ガンマナイフ治療とは、ガンマ線ビームを虫めがねの焦点のように病巣部に集中的に照射する治療法です。当院では、静岡県内をはじめ、神奈川県や東京都内などの医療機関と連携し、ガンマナイフ治療にあたっています。次に多いのは、脳梗塞です。脳梗塞は脳内の血管が細くなったり、血栓ができて血管が詰まってしまい発生する症状です。血管が詰まると血液の流入が止まり、脳に酸素や栄養が行き渡らなくなります。治療として、エダラボンという脳保護薬を投与し、梗塞の中心部や周辺部に生じるフリーラジカルという有害物質を除去する治療や身体機能の低下防止、生活機能の向上、自立した生活をおくることを目的としたリハビリを行います。
また脳神経外科では、脳卒中急性期治療として、開頭手術・血管内手術双方が常時対応可能です。詰まってしまった血栓をt‐PAという薬で溶かすなど内科的な薬物療法が主体になりますが、状況に応じてステント型リトリーバーを中心とした再開通療法や慢性期のバイパス術などの血行再建術も行われています。他にも水頭症に対するシャント手術、脳出血・脳動脈瘤に対する開頭手術など多くの疾患に対して治療を行っています。急性期治療の終了後は回復期リハビリテーション病棟に移り、家庭・社会復帰に向けてリハビリを行い、自宅もしくは施設に帰られるか、継続リハビリのために他の医療機関に転院されています。そのため、全国の平均在院日数より入院期間が長くなっています。当院は2019年9月に一般社団法人日本脳卒中学会より、要件を満たしている施設として『一次脳卒中センター(PSC)』の認定を受けました。(詳細はホームページをご覧ください。)
また脳神経外科では、脳卒中急性期治療として、開頭手術・血管内手術双方が常時対応可能です。詰まってしまった血栓をt‐PAという薬で溶かすなど内科的な薬物療法が主体になりますが、状況に応じてステント型リトリーバーを中心とした再開通療法や慢性期のバイパス術などの血行再建術も行われています。他にも水頭症に対するシャント手術、脳出血・脳動脈瘤に対する開頭手術など多くの疾患に対して治療を行っています。急性期治療の終了後は回復期リハビリテーション病棟に移り、家庭・社会復帰に向けてリハビリを行い、自宅もしくは施設に帰られるか、継続リハビリのために他の医療機関に転院されています。そのため、全国の平均在院日数より入院期間が長くなっています。当院は2019年9月に一般社団法人日本脳卒中学会より、要件を満たしている施設として『一次脳卒中センター(PSC)』の認定を受けました。(詳細はホームページをご覧ください。)
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) | 17人 | 6.12日 | 2.57日 | 0.00% | 74.53歳 | |
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 | 14人 | 15.00日 | 8.88日 | 7.14% | 73.57歳 | |
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 | - | - | 4.54日 | - | - | |
060130xx9900xx | 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) | - | - | 7.67日 | - | - | |
060190xx99x0xx | 虚血性腸炎 | - | - | 8.51日 | - | - |
外科の症例で最も多いのは、大腸ポリープです。大腸の管の表面(最も浅い層)は粘膜でできています。この粘膜層の一部がイボのように隆起してできたものを大腸ポリープといいます。大腸ポリープはその構造(組織)により腫瘍性のポリープとそれ以外(非腫瘍性)のものに分けられ、こまかく分類されます。大腸がんになる可能性があるものは腫瘍性ポリープである腺腫にあたります。2番目に多いのは、総胆管結石や総胆管結石に伴う胆管炎です。胆のうや胆管内にできた結晶が、胆のうにあるときは胆のう結石症(胆石症)、胆管にあるときは総胆管結石症、肝臓内の胆管にあるときは肝内結石症といいます。また胆管炎は大半が総胆管結石により胆管閉塞の状態となり、胆汁に細菌感染が生じたり、胆のう内に膵液が逆流したりすることにより起こります。3番目に多いのは、鼠径ヘルニアです。腸などが筋膜の間からはみ出して、足の付け根部分の皮膚の下に飛び出てしまう病気です。なお、患者数が10人未満の症例は患者さんが特定され得る可能性があるため、情報は記載致しません。
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
0400802499x0xx | 肺炎等 | 17人 | 22.94日 | 16.40日 | 5.88% | 85.12歳 | |
050130xx9902xx | 心不全 | - | - | 23.96日 | - | - | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 | - | - | 13.66日 | - | - | |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 | - | - | 20.78日 | - | - | |
100380xxxxxxxx | 体液量減少症 | - | - | 10.26日 | - | - |
内科の症例で最も多いのは、肺炎です。肺炎は、細菌やウイルスなどの病原微生物が感染して、肺に炎症を起こす病気です。肺炎の患者さんの平均年齢は約85歳であり、高齢の患者さんが多くなっていることが分かります。2番目に多いのは、心不全です。心臓は、血液を送るポンプとしての役割と血液を受け取る役割を担っています。心不全は、この心臓の動きが十分では無い状態のことをいいます。3番目に多いのは、腎臓又は尿路の感染症です。尿路感染症とは、腎臓から体外へ排出されるまでの尿路で起こる感染症です。なお、患者数が10人未満の症例は患者さんが特定され得る可能性があるため、情報は記載致しません。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
大腸癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
乳癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
肺癌 | - | - | - | - | - | - | - | - |
肝癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
当院では主に外科で診療を行っています。できる限り患者さんへの負担を少なくするため、早期のうちに内視鏡的治療や鏡視下治療を行っています。また、Ⅲ期やⅣ期の患者さんに対しては、状態に合わせた手術や化学療法などの幅広い治療を実施しています。なお、患者数が10人未満の症例は患者さんが特定され得る可能性があるため、情報は記載致しません。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | - | - | - |
中等症 | 25人 | 41.00日 | 82.36歳 |
重症 | - | - | - |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
患者数が最も多いのは中等症ですが、他の重症度も少なからず存在します。また、中等症~超重症の平均年齢が80歳以上の年齢層になっており、市中肺炎は高齢になるにつれて重症化していることが分かります。成人市中肺炎診療ガイドラインでは軽症の患者さんは外来治療となっており、入院加療の適応ではないことがあります。しかし、軽症の患者さんであっても既往症(歴)によっては重症化を危惧され入院となるケースもあります。なお、患者数が10人未満の症例は患者さんが特定され得る可能性があるため、情報は記載致しません。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 68人 | 62.43日 | 77.99歳 | 14.46% |
その他 | 15人 | 92.40日 | 72.73歳 | 3.61% |
当院では、脳梗塞の患者さんのほとんどが脳神経外科で入院されています。特に発症日から3日以内の急性期脳梗塞の患者さんが多く、全体の約8割を占めています。急性期脳梗塞の患者さんの平均年齢は約77歳であり、いわゆる後期高齢者の方が多くなっています。平均60日前後の入院期間で、急性期治療の終了後は回復期リハビリテーション病棟に移り、家庭・社会復帰に向けてリハビリを行い、自宅もしくは施設に帰られるか、継続リハビリのために他の医療機関に転院されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0461 | 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) | 26人 | 5.35日 | 61.00日 | 15.38% | 83.73歳 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術(肩、股) | 18人 | 5.33日 | 63.94日 | 11.11% | 82.00歳 | |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) | 17人 | 3.06日 | 15.65日 | 29.41% | 67.82歳 | |
K0793 | 靱帯断裂形成手術(指(手、足)その他の靱帯) | 10人 | 7.80日 | 28.00日 | 0.00% | 69.50歳 | |
K0821 | 人工関節置換術(肩、股、膝) | - | - | - | - | - |
整形外科では、地域の高齢化の影響もあり高齢者の外傷や変性疾患に対する手術が中心となっています。特に大腿骨転子部骨折及び大腿骨頚部骨折に対する骨折観血的手術と人工骨頭挿入術が多くなっています。骨折観血的手術とは皮膚を骨折部位まで切開し、直視下に骨を正常な位置に戻した後、固定材料を用いて固定する手術です。人工骨頭挿入術とは、骨折した大腿骨頚部から骨頭までを切除し、そこを人工物(金属,セラミックス,ポリエチレンなどでできている)で置き換える手術です。患者さんの状態に応じて術式を決定します。その他にも首下がり症候群に対する手術や変形性関節症に対する人工関節置換術も行っています。急性期治療の終了後は回復期リハビリテーション病棟に移り、家庭・社会復帰に向けてリハビリを行い、自宅もしくは施設に帰られるか、継続リハビリのために他の医療機関に転院されています。なお、患者数が10人未満の症例は患者さんが特定され得る可能性があるため、情報は記載致しません。
脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K178-4 | 経皮的脳血栓回収術 | 16人 | 1.31日 | 109.50日 | 31.25% | 77.31歳 | |
K609-2 | 経皮的頸動脈ステント留置術 | - | - | - | - | - | |
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | - | - | - | - | - | |
K1643 | 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(脳内のもの) | - | - | - | - | - | |
K1783 | 脳血管内手術(脳血管内ステントを用いるもの) | - | - | - | - | - |
脳神経外科で最も多い手術は、経皮的脳血栓回収術です。脳梗塞になった患者さまの後遺症を少なくするためにカテーテルを足の血管から挿入して、頭の中の脳血管へ進め、血管を塞いでいる血栓を回収し、閉塞した脳血管を再開通させる手術です。術後は、家庭・社会復帰に向けてリハビリを行い、自宅もしくは施設に帰られるか、継続リハビリのために他の医療機関に転院されています。そのため、平均術後日数が長くなっています。2番目に多い手術は、経皮的頸動脈ステント留置術です。 脳梗塞を起こす危険性が高くなる頸動脈狭窄症に対する手術となり、手術(頸動脈内膜切除術)、薬による治療などがありますが、近年カテーテル治療が行われるようになってきました。3番目に多い手術は、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術です。慢性硬膜下血腫は軽微な頭部打撲をきっかけにして、脳の表面(脳表)に微量の出血あるいは脳脊髄液が貯まって、硬膜と脳との隙間にじわじわと血が貯まっていき血腫が大きくなる病気です。頭蓋骨に小さな穴(穿頭孔)を開け、その穴からシリコン製のドレナージチューブを挿入して血腫を排出させ、場合によっては血腫腔の洗浄を行います。その他に頭蓋内血腫除去術、脳血管内手術なども行っています。2019年9月に一般社団法人日本脳卒中学会より、要件を満たしている施設として『一次脳卒中センター(PSC)』の認定を受けました。(詳細はホームページをご覧ください。)なお、患者数が10人未満の症例は患者さんが特定され得る可能性があるため、情報は記載致しません。
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 16人 | 0.75日 | 4.38日 | 0.00% | 76.44歳 | |
K6871 | 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) | 10人 | 0.20日 | 11.30日 | 10.00% | 69.70歳 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | - | - | - | - | - | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | - | - | - | - | - | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | - | - | - | - | - |
外科で最も多い手術は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)です。内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は内視鏡を用いて大腸ポリープを切除する手術です。近年では、可能な限り患者さんの負担が小さくなる内視鏡を用いた方法で治療が行われます。2番目に多い手術は、内視鏡的乳頭切開術です。内視鏡を十二指腸まで挿入し、胆管・膵管の出口にあたる乳頭部を乳頭切開用ナイフを用いて切開し、胆汁や膵液の流出を促します。3番目に多い手術は、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術です。鼠径ヘルニア手術では可能な限り、腹腔鏡下で行い患者さんの負担を小さくするように努めています。なお、患者数が10人未満の症例は患者さんが特定され得る可能性があるため、情報は記載致しません。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - |
DPC病名と入院契機病名が異なる場合の入院契機病名として挙げられるのは、消化器系疾患・肝臓・胆道・膵臓疾患、循環器系疾患、皮膚・皮下組織の疾患でした。感染症等で入院後も全身状態が悪化して播種性血管内凝固症候群や敗血症といった重症な病態になってしまった症例です。 手術・処置等の合併症としては、胃瘻造設部感染、人工関節の脱臼が挙げられます。これらは重篤な主疾患の合併症として発症しているケースが多いため、臨床上ゼロにはなりえないものですが、少しでも改善できるよう努めています。なお、患者数が10人未満の症例は患者さんが特定され得る可能性があるため、情報は記載致しません。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した 退院患者数(分母) |
分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率 |
---|---|---|
72人 | 66人 | 91.67% |
肺血栓塞栓症とは、肺動脈に血液の固まりである血栓が詰まる病気です。手術を受ける方は、手術中に長時間同じ姿勢をとったり、手術後ベット上での安静が必要な場合があります。このような状況では、筋力が低下し、さらに筋肉を動かさないでいると、血管周囲の筋肉の収縮によるポンプ作用が弱くなるため、静脈の流れが悪くなり、血管内に血液が貯留します。このようになると、血管周囲に水分が染み出してしまうため、足にむくみが出て血液が固まりやすくなり、血液の固まりができた状態になります。そのため、周術期に肺血栓塞栓症の予防行為を行うことが、発生率を下げることにつながります。当院では9割以上の患者さんに予防対策の実施をできていますが、今後はさらに実施率を向上できるよう努めていきます。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
333日 | 195日 | 58.56% |
広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことは、望ましい取り組みとなります。また、血液培養は1セットのみの場合の擬陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されています。2セット以上行うことで、血液培養検査の精度を上げることになり、見落としを防ぐことにもつながります。そのため、さらに実施率を向上できるよう努めていきます。なお、令和6年度は全国的な血液培養ボトルの供給不足があり、1セットを推奨したため実施率が当院前年比で低下しております。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
---|---|---|
97人 | 88人 | 90.72% |
広域スペクトルの抗菌薬は幅広い細菌の種類に効果があり、病原菌が不明な場合に非常に有効です。ただし、病原菌以外の細菌類にも効果があるため、細菌培養検査を実施せず広域抗菌薬を漫然と投与することは、耐性菌の発生や蔓延の原因になります。そのため、抗菌薬投与前に適切な細菌培養検査を行うなど、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。当院では9割以上の患者さんに細菌培養検査が実施できていますが、今後はさらに実施率を向上できるよう努めていきます。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数 (分子) |
転倒・転落発生率 |
---|---|---|
22,128日 | 65件 | 2.94‰ |
入院中の患者さんの転倒・転落の原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなど、さまざまなものがあります。そして、転倒・転落による傷害発生事例と傷害に至らなかった事例もあわせて追跡するとともに、それらの事例を分析して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。そのため予防策を実施し、さらに転倒・転落発生率を減少できるよう努めていきます。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生したインシデント 影響度分類レベル3b以上の 転倒・転落の発生件数(分子) |
転倒転落によるインシデント影響度 分類レベル3b以上の発生率 |
---|---|---|
- | - | - |
インシデント影響度分類レベル3b以上とは、転倒・転落によって濃厚な処置や治療を要した場合(手術、入院日数の延長、骨折など)や傷害の継続性が永続的または死亡に至るものや障害の程度が高度なものをいいます。加齢とともに転倒・転落の発生率も高くなり、入院期間の延長や在宅復帰率の低下につながります。そのため、重大なアクシデントに至らないよう体制を整備し、今後はさらに発生率を減少できるよう努めていきます。なお、-(ハイフン)は、10件未満(小さい値)であり、良好な結果です。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、 予防的抗菌薬投与が実施された 手術件数(分母) |
分母のうち、手術開始前 1時間以内に予防的抗菌薬が 投与開始された手術件数(分子) |
手術開始前1時間以内の 予防的抗菌薬投与率 |
---|---|---|
274件 | 182件 | 66.42% |
予防的抗菌薬投与とは、現在細菌感染を起こしていないが、手術後の感染をできるだけ防ぐために、抗生物質をあらかじめ投与することをいいます。手術開始前1時間以内に適切に抗菌薬を投与することで、手術後の手術部位の感染発生を予防し、抗菌薬による有害事象防止や入院期間の延伸を抑えることができ、効率的かつ安全で質の高い医療を提供していると評価ができます。そのため、さらに投与率を向上できるよう努めていきます。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは 除外条件に該当する患者を除いた 入院患者延べ数(分母) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) |
d2(真皮までの損傷)以上の 褥瘡発生率 |
---|---|---|
20,529日 | 19人 | 0.09% |
褥瘡は、看護ケアの質評価の重要な指標の1つとなっています。褥瘡は患者さんの生活の質低下をきたすとともに、感染を引き起こすなど治療が長期に及ぶことによって、治療の遅延や患者さんの苦痛の増加につながります。そのため褥瘡予防対策は、提供する医療の重要な項目の1つにとらえられており、さらに発生率を減少できるよう努めていきます。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数 (分母) |
分母のうち、入院後48時間以内に 栄養アセスメントが実施された 患者数(分子) |
65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合 |
---|---|---|
642人 | 469人 | 73.05% |
栄養アセスメントとは、個人の栄養状態を評価するための一連の過程であり、栄養スクリーニングを経てより詳細な分析を行うことを指します。これにより、低栄養や栄養過多などの問題を特定し、適切な栄養ケアプランを立てることが可能になります。早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで、入院日数の減少や予後改善につながります。そのため、さらに実施割合を向上できるよう努めていきます。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和 (分母) |
分母のうち、身体的拘束日数の総和 (分子) |
身体的拘束の実施率 |
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22,128日 | 4,261日 | 19.26% |
身体的拘束は、制限の程度が強く、二次的な身体的障害を引き起こす可能性もあるため、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。当院では身体拘束最小化を全職員で目指し、当院の理念の一つでもある「いつでもかかれる心安らぐ病院」の体現を心がけ、患者さんの尊厳や安全を守っていけるよう努めていきます。
更新履歴
- 2025/09/22
- 令和6年度 病院指標を公開しました。