首下がり症に対する項靭帯形成制動術
全身麻酔または局所麻酔で、断裂してしまっている項靭帯の修復と不安定となった棘突起間の制動を行います。

約1時間30分程度の手術で、断裂した靭帯付着部の骨(棘突起)に人工靭帯を使用して付着させ、断裂した部分の上下の部分に糸をかけて補強し、引き寄せます。
手術の内容は、左の図のように人工靭帯をかけて、上下を結んで首が後屈できるようになります。
しかし、人工靭帯をいれる骨(棘突起)は、小さく、骨強度が弱い部分があるため、人工靭帯が抜けてくることがあるのがこの手術の限界点であり、場合は固定する人工靭帯を増やして対処しています。

手術後は、再建した靭帯が骨にしっかりと付着するのを待つため、リハビリをしながら、3か月は胸まであてた装具が必要となります。早い時期に首を上下に曲げてしまうと人工靭帯が破綻してしまうので注意が必要です。
本手術は、野球などスポーツ選手の肘や膝の靭帯を再建する手術をヒントにして、2022年に東京医大で開発された最先端の手術です。手術方法自体は、スポーツ医学で長い歴史をもつものですが、頚部に応用した歴史はまだ浅いため長期成績が不明であること、現在のところ大きな合併症はありませんが、ご高齢の方に対する手術は潜在的にさまざまなリスクを伴うので、保存療法を十分に行って改善のみられない方を対象にする手術です。また、この手術は固定術でないので、手術の侵襲は小さく術後に首の運動が制限されることは無いのですが、リハビリをして筋力をつけないと、再断裂をおこす危険がありますので注意が必要です。
動画で見る「首下がり症」
首下がり体操 簡単編
【首下がり体操 簡単編(10分)】
最初は、座って体操
両手を腰にあてて、(腕の重みがなくなる)、首を前後左右に動かす
バンザイ運動をする(手を上げ下げする)
前ならえをして、首を後屈させる。
次に横になって体操
上をむいて、手足の伸びをする。
その後、寝返りを左右2回ずつ行う。
仰向けで、肘で床を押しならが背中を起こす、あごの上げ下げをする。
胸にタオルをいれてうつ伏せとなる。
うつ伏せで、肘をつき、片手で顎あげて前をみれるようにして、3秒から5秒維持する。
まずはご相談ください
脊椎、脊髄疾患について困っていること、不安に思っていることは遠慮なくご相談ください。セカンドオピニオンだけでも結構です。患者さんにとって一番良い治療を考えていきたいと思っています。