対象疾患と適応条件

ガンマナイフ治療の適応とは

脳神経外科疾患のうち、脳腫瘍や脳血管奇形、機能的疾患が主な治療適応となっています。

ガンマナイフ治療の適応は、従来はおおむね直径3cm程度までの腫瘍とされていました。しかし、マスクシステムの導入により多分割照射が可能となったことで、より大きな腫瘍にも対応できるようになっています。ただし、腫瘍の位置や性質によっては、脳表面にあり外科的切除が可能な場合には、手術の方が適していると判断されるケースもあります。

また、放射線治療に伴う影響として、副作用が生じる可能性もあるため治療適応の判断は慎重に行う必要があります。

対象となる主な疾患

脳腫瘍

悪性腫瘍

転移性脳腫瘍 (肺癌・乳癌・消化器癌ほか全ての組織型)
非良性脳腫瘍 (一部のグリオーマ、悪性リンパ腫など)

良性腫瘍

髄膜腫、聴神経腫瘍、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫など

脳血管疾患

脳動静脈奇形、海綿状血管腫など

機能的疾患

三叉神経痛*(薬物療法による疼痛管理が困難な場合のみ)

適応の判断基準

腫瘍の大きさ・数

一般的に直径3cmまでの腫瘍といわれていましたが、マスクシステム導入後は多分割照射での治療がガンマナイフでも可能となったため、それ以上の大きさの腫瘍に対しても治療を行っています。

基本的に小さな腫瘍が多発している場合はガンマナイフ治療のよい適応になります。腫瘍が小さければ、10個以上であっても治療を行うことが可能です。

他の治療法との比較

開頭手術ガンマナイフサイバーナイフ
治療方法の違い頭蓋骨を開けて病変を直接切除する方法複数の放射線を一点に集め、腫瘍などを照射する方法(定位放射線治療の一種)ロボットアームを用いて様々な角度から放射線を照射する定位放射線治療
治療の侵襲度(体への負担)全身麻酔が必要、入院・回復期間が長め原則として開頭せず、全身麻酔不要。日帰りまたは短期入院で対応可能
治療時間と回数数時間に及ぶ手術、1回で終了することが多い通常1回の照射で完了(多分割照射の場合は複数回)通常2〜5回程度に分けて行われることが多い
適応疾患や症例大きな腫瘍、脳表面に近い腫瘍、病理診断が必要な場合など3cm程度までの小〜中サイズ腫瘍、脳深部や手術困難な部位の腫瘍体の他の部位(肺、肝臓など)にも適応可能、脳腫瘍でも分割照射が必要な場合に利用
合併症・副作用の傾向感染・出血・麻痺など、外科的リスクが伴う放射線による腫瘍膨大・放射線壊死などがまれに起こる

当院での適応判断とご相談

当院でガンマナイフ治療を受けていただく際には、基本的にかかりつけ医・連携医療機関からの紹介状をもとに受付を行っています
MRIやCTなどの画像検査結果を含め、必要な診療情報をご提供いただいたうえで、当院の脳神経外科医・放射線科医が適応の有無を総合的に判断いたします。

紹介状をお持ちでない場合や、治療適応についてご不明な点がある場合には、まずはかかりつけ医にご相談のうえ、当院への紹介をご依頼ください

ガンマナイフ専用お問い合わせ

「パンフレットが欲しい」「費用や治療の流れを知りたい」「なぜ副作用が少ないか」などガンマナイフに関することを、お気軽にお問い合わせください。

ご予約・お問い合わせ

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