腰部脊柱管狭窄症の内視鏡手術
内視鏡手術は、筋肉などを傷めることが少なく、回復が早いため、高齢者でも安心して受けていただけます。
脊柱管狭窄症とは
おもに老化現象が原因で、脊柱管が狭くなり神経が圧迫されている状態です。
多くの場合、背中を丸めると神経の圧迫が軽くなり症状が軽くなりますが、逆に背中を反らせると神経の圧迫が強くなり、お尻や足が痛くなったりしびれたりします。
間欠性跛行とは
少し歩くとおしりが痛くなったり、足がしびれる・だるくなる・重くなるようになり、歩けなくなることを言います。30分程度でなる人もいれば、100mも歩けなくなることもあります。そして、背中を丸めて休憩すると、症状がとれまた歩けるようになります。腰部脊柱管狭窄症に特有な症状ですが、足の血管が詰まる「閉塞性動脈硬化症」でも似たような症状が出ることがあります。
検査について
レントゲン検査だけでは不十分なため、MRI検査、CT検査が必要です。
「閉塞性動脈硬化症」がないかどうか、手足の血圧を測る検査も必要です。
治療方法
- 運動療法
身体を柔らかくする体操をしたり、足腰の筋肉をきたえます。 - 内服薬
「オパルモン」という血行促進剤が足のしびれを軽減することがあります。 - 硬膜外ブロック
脊髄神経の周りに麻酔薬やステロイドホルモン(炎症を和らげます)を注射します。 - 内視鏡手術
1~3の治療を行っても効果が少ないときに行います。神経周囲の余分な骨を削り、分厚くなった靱帯を切除します。神経の通り道が広くなり、痛みやしびれが軽減します。内視鏡手術は筋肉などを傷めることが少なく、回復が早いため高齢者でも安心して受けていただけます。
内視鏡手術について
全身麻酔で行います。
手術時間は、1カ所につき約1時間半です。
出血量は、多くて100ccぐらいで、輸血が必要になったことはありません。
よくある質問
手術翌日から体調の良い方は歩行が可能です。通常1週間程度で歩行や日常動作に支障がなくなります。
1カ所の手術なら約1週間、2カ所以上手術したときや椎間板ヘルニアもあわせて摘出したときは、退院まで2週間程度かかります。
立っていたり、歩いているときの痛みはほぼなくなります。ただし、足のしびれ感も通常軽減しますが、残ることもあります。特に、足の裏の違和感(砂利を踏んでいるような感じ)は、残ることがあります。
現在まで、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の内視鏡手術を多数行ってきましたが、神経が損傷されて歩けなくなったりすることや輸血を要するような大出血、死亡者はおられませんので、安全性はかなり高いと思います。
術後1カ月間は、腰にコルセットを着けていただいています。これは、手術したキズが早く治るためと、筋力が回復するまで身体を支えるのが目的で、腰を曲げ伸ばししてはいけないという意味ではありませんし、入浴時や短時間ならはずしてもかまいません。
基本的には、何をしても大丈夫です。できると思ったことは、無理のない程度やってください。ただし、長時間(1時間以上)座りっぱなしになることは、腰に負担がかかりますので控えてください。
入院中にリハビリ行います。
ただし、足の麻痺があった人などは、月に1~4回程度、通院してリハビリが必用です。
診療日
第2・4火曜日午後【予約制】※まずは整形外科を受診し必要な検査等を行った後、遠藤医師の診察予約となります。
脊椎、脊髄疾患について困っていること、不安に思っていることは遠慮なくご相談ください。セカンドオピニオンだけでも結構です。
患者さんにとって一番良い治療を考えていきたいと思っています。
遠藤健司医師 東京医科大学病院准教授
外来担当医表
医師紹介
かない ひろし
金井 洋
院長
整形外科一般、脊髄、関節
東京医科大学卒
日本整形外科学会整形外科専門医
えんどう けんじ
遠藤 健司
整形外科一般、脊椎脊髄、骨粗しょう症、頸椎、腰椎、慢性疼痛
東京医科大学卒
東京医科大学病院整形外科准教授
日本専門医機構認定整形外科専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会指導医
こやま たかし
小山 尊士
整形外科一般、足、関節
東京医科大学病院整形外科臨床准教授
日本整形外科学会認定整形外科専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
くによし しょうた
國吉 祥汰
整形外科一般
愛知医科大学卒
にしだ じゅん
西田 淳
整形外科一般、骨軟部腫瘍、肩関節、手、腰椎、微少外科
岩手大学卒
東京医科大学病院整形外科教授
日本専門医機構認定整形外科専門医
日本リウマチ学会指導医・専門医
日本リウマチ財団登録医
日本リハビリテーション医学会指導医専門医・認定臨床医
日本手外科学会専門医
日本がん治療認定医機構暫定教育医・認定医
つじ はなこ
辻 華子
整形外科一般
東京医科大学病院整形外科